教訓めいた話

NIKON D50
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それは去年のGW真っ只中の5月3日の事です。その日僕達は3人で傾山を登り、翌日の大崩山に備えて下山後祝子川登山口側の民宿に移動するスケジュールで福岡を出発しました。けっこう時間的には厳しいので傾山はお手軽に見立渓谷登山口からのピストンとし、高千穂峡、星雲橋、黒仁田林道と、遠いけど順調に距離を稼ぎほぼ予定通りに登山口に着きました。メンバーは高校の同級生で一人は山岳部出身A君(母校に山岳部が有った事を同窓生すらあまり良く知らなかった程マイナーなクラブ出身)、もう一人はこよなく地元の里山を愛する自然派元シティボーイB君(ナンだかよくわからん)それに極度の高所恐怖症なのに登山が好きなメタボ体形の僕の3人です。
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登山口はさすがGW、ほぼ満車状態で駐車する場所にも困るほど。なんとか隙間を見つけ駐車、準備をし8時前に入山。急登にあえぎつつ9時過ぎに九折越広場に着きました。ここは気持ちの良い空間で、前日からのテントもポツポツ有ります。ここでしばらく避難小屋を覗いたりようやく見えてきた山頂を写真に撮ったりして小休止。その後山頂目指して出発、アケボノツツジ等の写真を撮りながら、後傾を超え、本傾山頂に10時過ぎに到着しました。ここで満開とはいかないまでも綺麗に咲いたアケボノツツジを愛でながらちょっと早い食事を取りました。体力的にもまだまだ余裕があり、時間もタップリあります。
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ここからが本日の教訓となるエピソードの始まりです。
体力自慢の登山部出身A君から提案が。ちょっと歩き足りないんで三つ坊主を覗きに行こうと言うんです。高所恐怖症の僕は即答で断りました。B君もちょっと悩みましたが断りました。彼のメインは翌日の大崩山なんで体力温存の為でしょう。そこで僕達は二手に分かれる事に。ここが大きな間違いでした。A君に行き30分帰り30分の時間を与え、僕達は先に下山する、1時間経ったら降りて来いよ、と言って彼を三つ坊主コースへ送り出しました。斜面に消えた彼を見送り、僕達もゆっくり下山開始。登りと同じように九折越広場で小休止したり、写真を撮ったりしながら2時過ぎに登山口に。朝と違い駐車場はけっこう空きが、車をより近くに移動したり、仮眠したりして時間をつぶすことに。しばらくウトウトして目を覚ますと3時です。そろそろA君が降りてくるはずと登山道をちょっと登ってみたりして彼を待ちます。ところが、待てど暮らせど降りてきません。時間も3時半、4時、4時半と気が付けば2時間半も経っています。僕達二人もいよいよ不安になり、道迷いか、滑落か、遭難(ToT)/~~~色んな思いが頭をよぎります。難コースの三つ坊主、一人で行かせたリーダーとしての責任、日没もせまってきます。二人話し合い、とにかく登り返すことに。またザックを背負い、本日2回目の傾山へ、お手軽とは言え楽じゃない登山道、すれ違う下山者に特徴を伝え消息を尋ねながら登って行きました。途中携帯が通じる所で電話をかけたりしながら九折越広場へ。夕方でもあり、テントが結構張られてます。その中を一張りごとに尋ね廻り、三つ坊主から来た人にも尋ねてみたんですが思い当たる人は居なかったとの事。これは間違いなく「遭難」。二人して青くなりながら取り敢えず山頂へ行こうと、山頂まで行ってそれでも居なければ捜索隊をお願いしようと、駆ける様に山頂を目指します。日も大分傾いてます。時間の猶予はありません。鬼気迫る思いで登る登山道、降りてくる人はもういません。

山頂まであと10分、いよいよ諦めかけたその時です。上のほうになにやら見覚えのある人影、そうです、A君です。ふらふらになりながらも自力で下山してきています。僕達はその場にへたり込みました。彼を見ると別れた時と打って変わって精魂尽き果てた表情、手も擦り傷だらけでおまけに水も切れていたらしく、ペットボトルを渡して一息ついてもらいます。僕達は無事に降りてきたA君を見て、早まって捜索願を出さなくて良かったと安堵しました。

その後、九折越広場のテントの方達に発見の報告をして、3人で暗くなった登山道をどうしてこういう事になったのか聞きながら下山しました。登山口に8時着、翌日の大崩山は延期しようと思いましたが、A、B君とも取り敢えず行くと言うことなので祝子川の民宿まで11時着で移動しました。

結局、典型的な道迷い遭難でした。三つ坊主に進む内、タイムリミットとなり、登り返そうと思ったが、あまりの斜面に登り返す意欲を失い、とにかく先に進み、途中人の声が聞こえたと思い水場コースへやぶコギしてショートカット。ところが水場コースも横断してしまい、道迷い。勘に頼ってやぶコギし、3時間程度さまよったあげく水場コースへ復帰。山頂を経て僕達と合流と言ったところでした。体力が有り、登山中息ひとつ切らさないA君ですが、遭難はそんな彼を肉体的にも精神的にも追い詰めてました。山を侮ってはいけません。

ほんとに人騒がせなヤツですが今ではよく僕達の酒の肴になってます。

教訓①
むやみに単独行動はしない。
教訓②
迷ったら必ず登り返す。
教訓③
ルートは事前によく確認し。地図・コンパスに習熟する。
教訓④
水は余分に持つ。
教訓⑤
リーダーは己と部員の力量を過信しない。
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以上、ちなみに、その日A君は夜どうし嘔吐していた事を付け加えます(^_-)-☆
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