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3月1日 天狗ヶ城朝駆け 降臨の時

牧ノ戸⇒久住避難小屋⇒御池⇒天狗ヶ城⇒避難小屋⇒牧ノ戸⇒男池
PENTAX K-m / NIKON D50 / NIKON NewFM2
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日曜は3週間ぶりの朝駆けとなったが、天候は午後から好転との予報だった。例によって長者原での仮眠
2時40分にアラームをセットし、寝袋に包まった。厳冬期からすれば嘘のように暖かいが、窓はすぐ結露し
てしまった。

3時20分過ぎ、窓を叩く音に気が付くとボッチさんだった。たしかアラームで目覚めたはずだったが、二度寝
していたらしい。あやうく寝過ごすところだった。改めてボッチさん、ありがとう。でも、ボッチさんも日曜朝駆け
だったなんて。てっきり土曜に行っているものと思っていたが、心強い同行者があってホッとした。というのも
後からの話だが、この日の朝駆けは僕達2人のみ。九重のどの山頂にもライトは見えず、前後左右にも人の
気配は無かった。



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牧ノ戸に移動して入山。空は回復が早まったのか晴れているみたいで、星が瞬いていた。風も無く、気温も
例の温度計で0℃、という事は大体-3℃前後か。ただ、冷え込んではいないので、牧ノ戸コース名物の泥濘
は完全には凍ってはいなかった。滑らないよう慎重に歩く。



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ケルンの広場で小休止。牧ノ戸には何台かの車は有ったが、見渡しても朝駆け組みは居ない様だ。僕達二人
なら何か劇的な事が起こらないかなぁ、と冗談半分期待半分で話していた。視界は悪くなく、下界の明かりも
くっきり見える。ただ、上方には雲海とも霞とも判断のつかない雲が有りそうだ。



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この日は持って行くカメラの構成を軽量お手軽路線に変えてきていた。で、結果、カメラはレンズだ、と言う
事に今更ながら気が付いた。K-mには高倍率ズームとマクロ、D50は単焦点1本、フィルムのFM2は広角
ズームの組み合わせ。軽量化したつもりが3台だといつもと変わらなくなるが、D50の単レンズ、ずば抜けて
良かった。UPする写真は混在すると思うが、その差は歴然としている。



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5時過ぎに避難小屋着。僕は久住東稜に行こうと思っていたが、ボッチさんと話していたらそろそろ天狗での
ダイヤモンド中岳の時期なんじゃないかと言うことになり、結局僕も天狗にお邪魔する事にした。



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20分程度時間調整し、天狗へ向けて小屋を後にする。久住分れに来ると途端に風が冷たくなった。今までが
エアコンのただの送風状態とすると、ここは冷房の強ぐらいの違いが有る。冷凍庫に入ったような感じで慌て
て手袋を重ねた。
御池の縁まで来ると、湖面は完全に氷解しさざ波が打っている。やっぱり春近し、今年はもう冬景色は見れな
いのかなぁ。なまじ12月が良かっただけに、期待した今年の冬だったが、本当の冬の姿を見せる事無く終わっ
てしまったようだ。



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6時過ぎ、山頂着。三脚をセットし夜明けを待つが、さすがに3月。待つまでも無く周囲は白んできており2人し
て撮影開始。九重の北東側から西にかけては雲海が有り、由布岳は飲み込まれて姿を見ることは出来ない。
上空には良い雲が有ったんだが、夜明け前のほんの10分前に流れてしまった。



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6時45分過ぎ、中岳後方が明るくなってきた。周囲にはあまり焼けるような雲も無く、逆にちょうど日の出の場
所に厚い雲が堆積しており、なんだかなぁ、の夜明けを迎えそうだ。



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意気消沈して星生側を撮影していたら、ボッチさんが中岳側で下から上に伸びる光の筋を発見。太陽柱が現
れる可能性が出てきたようだ。慌てて向きを変え凝視する。



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光の帯はだんだん上に伸びていき、まるでいつか見たSF映画のワンシーンのようで、同時に神々しさも感じさ
せてくれた。(冒頭の写真)



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向きは逆になるが、女神の降臨の瞬間を目撃したようで、ちょっと感動物だった。しかし、光の帯を山頂に重ね
ようとしたが、天狗からは御池にダイブでもしない限り無理だった。



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朝日が当たり始めた三俣や星生が輝いている。



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ただいつもの流れだが日が昇りはじめると大船によってかろうじて押さえ込まれていた雲海が成長をはじめ
手始めに平治から飲み込んでいった。坊がツルにもどんどん流れ込み、三俣をも飲み込もうとしている。



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ボッチさんも神出鬼没、飛び回っている。



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僕達の居る天狗にも雲海は押し寄せ、視界は閉ざされていったが、そこまで酷いものではなく、ブロッケンも
現れた。



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一頻り撮影し、時刻も8時を回った事もあり下山することにする。珍しい事にこの時刻まで誰一人中岳方面に
登って来なかった。久住分れまで降りてはじめて2,3人の登山者の姿を見る事が出来た。



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山頂がこうなった時が潮時だった。




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避難小屋で例によって簡単な朝食の後下山した。下山後、この日から営業を開始したばかりの男池の「おい
ちゃん家」に寄り、ばったりマスターやHEROさんと会った後「きづな」の露天に入浴し帰宅した。

夜明けは平凡だったが、太陽柱もどき、ブロッケン、マンサク(牧ノ戸コースはまだまだ)、雪割りイチゲとけっ
こう見所の多い朝駆けだった。下山中はすっかり春の陽気で、逆に一抹の寂しさも感じたが、これからは色ん
な花も咲いてくる。今までは花にまで目を向ける余裕が無かったが、今年は少し関心を持ってみよう。



今週末は久しぶりの九重泊り。どんな話が聞けるか楽しみだ。